何かと物議を醸すことの多いアメリカのトランプ大統領ですが、健康長寿には人一倍関心を寄せているようです。暗殺未遂事件の直後も「自分は神の使いなので、天国に行く。もし神の期待に反すれば、地獄に行かざるを得ない」と豪語していました。

  要は、「地上での寿命は神の思し召し通りで、危機に直面しても、いくらでも生き延びることができる。使命を全うした後は天上界で永遠の命を享受する」というわけです。

 トランプ氏はキリスト教のプロテスタントで、いわゆる「プレスビテリアン」(長老派)です。2017年の国連総会では「世界の大半は戦争に飲み込まれている。彼らは皆、地獄に行くだろう」と述べ、彼が大統領になったことで「アメリカは神のご加護を得ることになり、皆を天国へ連れていける」と異常なまでの「神へのこだわり」を見せていたものです。

 実は、石破茂氏も同じくプレスビテリアンですが、トランプ氏ほどの「神のご加護」を求めないまま、政権を放棄してしまいました。トランプ氏から見れば、「神への信仰心が足らない、哀れな末路」ということになるのでしょうか。

 自信家のトランプ氏はこの9月の国連総会でも、与えられた15分の演説時間を1時間もオーバーして、独演会を演じていました。曰く「俺が大統領にカムバックしてわずか7か月の間に7つの戦争を終わらせた。国連など何もしてないじゃないか。世界の多くの国が俺にノーベル平和賞を授与しようと言っている。世界を平和にしているのは俺だ!早くノーベル平和賞をくれ!」

 まさに勝手な思い込み発言の連発ですが、それこそがトランプ流。ウクライナ戦争もイスラエルとパレスチナの対立も全て自分が解決すると豪語するばかりです。まもなく80歳のトランプ大統領ですが、「神の後ろ盾」を活かして、天国に召されるまで世界の頂点に居座る覚悟のようです。

 ところで、そんなトランプ氏に負けず劣らず健康オタクと見られているのがロシアのプーチン大統領です。9月頭、北京でのスロバキアのフィコ首相と面談した際のプーチン氏の一言は世界を震撼とさせました。曰く「俺は生きている限り、何でもやる!だから生き続ける」。

 プーチン大統領も習近平国家主席も後継者を指名しようとしませんが、「永遠の命を手に入れる」と目論んでいるのであれば、当然のことかも知れません。いずれにせよ、プーチン氏にとってはレーニン時代から引き継ぐロシア帝国の復活のためには自らの若返りは至上命題に他なりません。

 なお、プーチン氏の長女は内分泌が専門の医師で、サンクトペテルブルグに設立されている「健康長寿延命センター」で、潤沢な予算を得て、遺伝子編集技術を応用した「デザイナーベビー」や「延命長寿」の研究を行うかたわら、父親の健康管理に24時間体制で取り組んでいます。

 しかし、世界が十分理解していないのは、プーチン氏が幼い頃からロシア正教会、すなわちカトリック教会やプロテスタント教会より古い歴史を誇る「オーソドックス教会」に帰依していることです。生後18か月にして、母親に連れられて洗礼を受けています。

 しかも、自宅が火事になった時、枕元に置いていた十字架が見当たらず、燃えてしまったものと落胆したようですが、消防士が周囲が焼け焦げていたにもかかわらず、彼が大切にしていた十字架を完全な形で回収してくれたのです。そのことで、プーチン少年は「奇跡」というか「神の啓示」を実感したといいます。それ以降、プーチン氏はそれまで以上に、欠かさず教会に通い今日に至っているとのこと。

 プーチン大統領曰く「マルクス主義も共産主義もそれほど大事ではない。最も大事なことは神を信じることだ。そうすれば、ロシアは偉大な復活を成し遂げることができる」。この一言からも、プーチン氏は自身とロシアの不滅を心底から信じていることが伺えます。この10月に73歳になるプーチン氏にとっては信仰心が健康長寿の源というわけです。