北朝鮮では7月27日は「戦勝記念日」とされ、国を挙げての祝日になっています。
1953年に朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた日であるからです。
今回で70回目になるわけですが、ロシアからはショイグ国防大臣が、中国からは李共産党政治局員が率いる代表団がピョンヤンを訪問しました。
北朝鮮にとってはアメリカ軍を追い返した記念すべき日と見なされ、毎年、大々的な軍事パレードが挙行されています。
今年もアメリカ全土を射程に収めた大陸間弾道ミサイルや人工的に津波を発生させる核兵器などが登場し、内外の注目を集めたものです。
しかも、ロシアの現職の国防大臣がピョンヤンを訪問したのは、冷戦終結後初のこと。
どうやらプーチン大統領から極秘のメッセージを携えてきたようです。
何かと言えば、金正恩総書記の健康回復のためにロシアが長年研究してきた治療法を伝授するという提案に他なりません。
実は、このところ金正恩総書記は体調を崩しているようです。
例えば、7月8日の「金日成29周忌」に際して、太陽宮殿を参拝する金正恩の写真や動画は一切公開されませんでした。
毎年、この模様は大々的に写真や動画と共に公開されてきていましたが、今回は記事での紹介はあったものの写真は添えられていません。
また、7月26日、金正恩総書記は朝鮮戦争で戦死した中国兵の墓地を訪問しましたが、その様子を伝える映像も加工されていた模様でした。
しかも、7月12日に「火星18」ミサイル試射を行った際に、現地で指導したとされる金正恩総書記の写真が2枚だけ公開されましたが、顔が異常にむくんでいたのです。
更には、これまでの発射成功の場面では、幼い娘を同伴した上で、党の最高幹部らと喜びを全身で表す写真や映像が紹介されたものですが、この時には座ったままの写真しか公開されていません。
韓国やアメリカの情報機関の分析では、「金正恩の体調は相当悪化しているに違いない」とのこと。
確かに、異常な肥満体で、糖尿病が相当進行しているフシがうかがえます。
そこでロシアのプーチン大統領は自らが実践している「特別治療法」を伝授しようとしたようなのです。そのために、わざわざショイグ国防大臣を派遣することにしました。
なぜなら、この治療法はショイグ国防大臣がプーチン大統領の「不死願望」に応えるため、アルタイ山脈に住む紅鹿の枝角から採取した血の風呂を活用するもので、ショイグ国防大臣が自らを実験台とし、試行錯誤の上で、安全性と効果のほどを確認したとされているからでしょう。
プーチン大統領は「ロシア帝国」の復活、即ち、旧ソ連邦の再生を願っています。
そのためにはウクライナをロシアに編入するだけではなく、旧ソ連邦を構成していた15の共和国もロシアに呼び戻したいと構想を温めているようです。
その際の切り札が「延命治療法」であり、サンクトペテルブルクに設立された「延命長寿研究所」で実験が繰り返されていて、ベラルーシはもとより中央アジア諸国の最高指導者らも特別待遇で治療を受けています。そうした知見に基づき、プーチン大統領は「永遠の命」を手に入れる夢を追い求めていると推察されるのです。
プーチン大統領から見れば息子のような年下の金正恩総書記ですが、体調不良は否定のしようがないため、「何とか助けてやろう」と考えたのでしょう。
ショイグ国防大臣の説得が功を奏すれば、金正恩総書記はアルタイ山中にあるとされる特別の湯治場で治療を受けることになるかも知れません。
もちろん、中国からも伝統的な漢方や鍼灸治療の専門医を派遣するとの申し出が李政治局員を通じて伝えられた模様です。
要は、ロシアも中国も金正恩の延命治療を通じて、北朝鮮を取り込み、更には「グローバルサウス」と呼ばれる資源国の独裁者らの囲い込みを図ろうと目論んでいると思わざるを得ません。
世界1の長寿大国を自負する日本とすれば、ロシアや中国に負けない手法、特に発酵食品を目玉に据えた「健康外交」を推進すべきではないと思われます。
例えば、梅干しは中国が発祥の地ですが、活用方法に関しては、間違いなく日本が世界をリードしているため、この分野での日中合作も検討に値するはずです。