人類滅亡までの残り時間を表示することで知られる「終末時計」(Doomsday-clock)
ですが、1月25日に明らかにされたところでは、何と「残り時間は90秒」とのことです。

一体全体、人類はどうなるというのでしょうか。

実は、この「終末時計」が創設されたのは1947年でした。当時はアメリカとソ連が
核軍拡競争に明け暮れており、「人類にとって最大の脅威と見なされた核戦争が間近に迫って
いる」と、世界が恐怖に駆られていたものです。

そこで、アメリカの科学学術誌「Bulletin of Atomic Scientists」が、世界各国の指導者や
一般市民への危機感を伝えるために、世界情勢を分析した上で、人類にとって最期となる
「午前0時までの残り時間」を公表するようになりました。

1947年は「7分」でしたが、」冷戦が終結した1991年には「17分」と余裕が生
まれたものです。

しかし、今回の「90秒」というのは、ノーベル賞受賞者10名の意見も反映しているとのこと
ですが、これまでで最短時間に他なりません。

ロシアとウクライナによる戦争が長期化するのみならず、核戦力を使用する「第3次世界大戦」
に行き着く可能性が高まっているからです。

アメリカのトランプ前大統領は2024年の再選に向けてのキャンペーンを始めたところですが、
「第3次世界大戦が間近に迫っている」と危機感を露にした上で、「アメリカ全土を覆う核ミサイル
を通さないドームを建設する」と息巻く有様です。

更には、自分が再選されれば、「ロシアとウクライナの間の休戦を即座に実行する秘策もある」と、
意味深な発言まで繰り出してきました。

どこまで本気なのか、アメリカ国内でもいぶかしがる声の方が大きいようです。

一刻も早い、ウクライナ戦争の終結を望むばかりですが、現状は楽観できません。加えて、気候変動
や変異種の発生が懸念される新型コロナウイルスも人類の生存にとっては大きな脅威となっています。

とはいえ、日々、戦闘が激しさを増すばかりのウクライナ戦争の行方に、世界の科学者や専門家は
「かつてない脅威」との受け止め方を強めているわけです。

実際、アメリカもドイツも最新鋭の戦車をウクライナに供与することを決定しました。
両国の軍事専門家の間では、「戦争の拡大につながるだけでなく、ロシアによる核兵器の使用を促すこと
になる」との理由で、戦車の提供には反対する意見が大勢でした。

ところが、バイデン大統領はそれまでの慎重な姿勢を一変させ、突然の如く、主力戦車「M1エイブラムス」
31両の供与を発表したのです。

とはいうものの、ウクライナへ供与する戦車は新たに発注、製造されるとのこと。
なぜなら、現時点で米軍に配属されているエイブラムス戦車には高度な機密情報が保存されているため、万が一、
ロシア側に収奪された場合には、深刻な問題が生じるからです。

いずれにせよ、アメリカの軍事産業にとっては「ウクライナ戦争特需」が沸き上がっていることは間違いあり
ません。

当然でしょうが、ウクライナのゼレンスキー大統領は満足げの表情を浮かべています。
「俺が頼めば、皆、言うことを聞いてくれる」というわけです。

今回の最新型戦車の供与に気を良くしたのでしょうか、「次はF-16戦闘機をくれ」と、要求をエスカレート
させています。

恐らく、最後は「核兵器をくれ」ということになりそうな雲行きです。これではロシアのプーチン大統領も黙っ
ていることはできないでしょう。

要は、アメリカも他のNATO諸国も停戦や和平交渉に知恵やエネルギーを傾けず、軍事力で決着を付けようと
暴走列車化しているのです。

こんなことでは「終末時計」の示唆する人類滅亡は否定できません。

人類初の原爆をアメリカによって2発も投下された日本とすれば、平和外交に本気で取り組む時ではないでしょうか。

そのためにも、中国はじめアジアの国々との連携が欠かせないと思われます。