米中間の対立がトランプ政権時代には「歴史上最悪」と言われるまでに激化してしまった。その後に登場したバイデン大統領は習近平国家主席とも個人的に「世界の指導者の中では最も親しい」と豪語してきたため、改善を期待する声が高い。世界経済を左右する2大超大国が不信と憎悪の波に飲み込まれたままでは、コロナ対策や景気の回復も思うに任せないだろう。

とはいえ、ジョー・バイデン氏は78歳というアメリカ史上最高齢での大統領就任である。トランプ前大統領からは「居眠りジョー」とか「認知症バイデン」とか、散々な嫌味を突きつけられたものだ。確かに、バイデン氏は「スピーチライター泣かせ」と異名を取るほどの記憶喪失が甚だしい。スピーチの原稿を見せられ、「そんなことは言えない!誰の発言だ?」とライターを問い詰めることがしばしばあるのだが、実は自分が数日前に言ったことが多いというから深刻だ。

大統領就任直後、79歳の誕生日を迎えたわけで、バイデン氏にとっても周辺にとっても認知症対策と老化防止が緊急命題となっている。コロナ対策としてファイザーのワクチンを2回接種し、24時間の管理体制下にある。本人は幼い頃から大学に通い始める頃まで“どもり”に苦しんだ経験の持ち主だ。自助努力を重ね、朝に晩に詩集を暗記したりすることで“どもり”を克服し、大衆の面前でも演説をこなせるまでに成長した。

そうした経験に基づき、大統領としての責務を果たすためなら、サイボーグ化も辞さない覚悟の様である。自らを実験台にし、最先端の技術を取り込み、アメリカを世界最強のリーダー国家に再生させるというわけだ。バイデン大統領の口癖は自らの父親から投げかけられた言葉。それは「ノックアウトされても構わない。必ず立ち上げればOKだ」。“居眠りジョー”から“明日のジョー”への変身には人体改造も厭わないとの強い思いが感じられる。

実は、スイスのダボスに本拠を構える「世界経済フォーラム」の提唱する「Great Reset」はクラウス・シュワッブ創業会長の「第4次産業革命」を下敷きにしたもので、「2025年までに多くの国民がインプラント・デバイスを受け入れる社会」を目指そうというもの。

アメリカの食品医薬品局(FDA)では2017年の時点で、デジタル・ピルを承認済みである。これはピル(薬)内蔵のセンサーでウェアラブルと連動させるもの。体内に飲み込んだピルが発するモバイル通信電波で医師や介護者に患者の情報を伝達するものに他ならない。現在進行中の5Gやその後の6Gを活用することで、24時間、健康状態や人体の監視が可能になる。

いわゆる「バイオメトリック・データ」を集積、分析することで、人体機能の改良と強化が期待されている。コロナ対策の一環として試験的な導入が進む「デジタルID」や「ワクチン接種証明パスポート」なども、こうした流れを受けたものである。コロナの感染拡大を通じて、こうした新技術の導入が一気に加速しつつある。

大手IT企業「ビッグ・テック」と巨大製薬メーカー「ビッグ・ファーマ」の連携も進んでいる。例えば、2021年1月14日から「Vaccination Credential Initiative (VCI)」が開始された。これによって、2022年前半には「アメリカ全体へワクチンとデジタル化の普及が実現する」ことになる。

これこそ、バイデン政権の目玉に違いない。最先端のデジタルやウェアラブルデバイスを組み合わせる計画である。先の大統領選挙で、大手ワクチンメーカー(GSKグラクソスミスクライン、ファイザー、メルク、モデルナ、アストロゼネカ、ジョンソンエンドジョンソン)がこぞってバイデン支持になびいた背景でもあった。こうした動きは「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」はじめ「ロックフェラー財団」も支援している。言うまでもなく、こうした巨大製薬メーカーの最大の株主はビル・ゲイツ氏である。

ゲイツ氏は2019年9月、ニューヨークで「ID2020アライアンス」サミットを主催。その際の主要な議題は「ワクチン接種を通じていかにデジタル個人認証制度を進めるか」 であった。また、その先にはマネーもデータ化し、医療、個人情報も思うがままに操れる世界を思い描いている様子が伺えた。

モデルナやファイザーのワクチンに使われているmRNAは次世代医療の切り札と目されている。中国やロシアが開発した従来型のワクチンとは一線を画すもの。なぜなら、ナノバイオテクノロジーを駆使し、人の細胞を変化、コントロールし、DNAも改良することになるからだ。人体とインターネットの接続を可能にし、人の健康度を24時間チェックできれば、医療費の削減にもつながるという筋立てになっている。

こうしたワクチン市場の8割は既に上記の巨大製薬メーカーによって独占されてしまった。日本政府はワクチンの安全性を独自に検証することもなく、「緊急事態」を錦の御旗にし、欧米のワクチンを言い値で大量に輸入しつつある。

アメリカの国土保全省(DHS)では2022年までに「最低2億5900万人のバイオメトリック・データを確保」すると宣言している。要は、HART(Homeland Advanced Recognition Technology)というシステムによってDNA、顔、指紋、眼球の虹彩などをアマゾンウェブサービスのクラウドを利用して常時監視するというわだ。

「アメリカ・ファースト」のトランプ氏はフロリダに引きこもったようだが、コロナ禍の先には「世界人類の在り方」を大転換しようと、手ぐすねを引いている欧米の大富豪連合が待ち構えている。彼らは「第4次産業革命」を提唱しつつ、人体の改造を含むデジタル社会を構築する構えに違いない。

その最前線に立つのが“居眠りジョー”から“明日のジョー”への転身を模索するバイデン大統領なのである。多くのメディアの見立ては「バイデン大統領は高齢のため、1期4年でバトンタッチするだろう」というもの。しかし、サイボーグ化した暁には2期8年も視野に入ってくるだろう。そうした可能性も踏まえた上で、バイデン政権との向き合い方を考えておく必要がある。