このところ、日本では外国人労働者の数が急増しています。国内の在留外国人は2025年、395万人で、これは総人口の3%に相当し、前年から36万人の増です。その内、外国人労働者は257万人に達し、13年連続で最多記録を更新中。

 2040年代には10%を超える可能性も取り沙汰されています。更に、2060年代には25%まで増加する見込みです。少子化の影響もあり、2040年における日本の労働力不足は1000万人規模へ拡大すると言われています。

 そのため、外国人労働者は欠かせない存在です。国別ではベトナム人(57万人で約25%)、中国人(40万人で18%)、フィリピン人(24万人で11%)の順となっています。増加率で見れば、1位はミャンマーで、インドネシアがその後を追っている模様です。ちなみに、資格別では「専門的・技術的分野の在留資格」が71万人で、特定技能の外国人は21万人となっています。

 ベトナム人の存在が際立っていますが、モスバーガーでは「ベトナム・カゾク」と称し、ダナン短期大学と協力する育成プログラムを推進しています。同社の説明では、アジア進出の幹部候補生の育成も目指しているとのこと。日本語教育も徹底して実施しているようです。現在、79人のベトナム人が雇用され、全体の2割を占めており、店長も誕生する見通しです。

 店内の評判は良好ですが、何とX上で「モスバーガー不買宣言」が巻き起こっています。その理由は何かと言えば、警察庁の来日外国人刑法犯検挙件数でベトナム人が全体の44.5%、侵入窃盗の80%、万引きの半数を占めているためと思われます。SNS等での外国人排斥の動きが懸念されており、「外国人は危険だ」とか「日本人の仕事が奪われる」といった偽情報が拡散していることが影響しているに違いありません。

 今こそ外国人雇用のメリットに注目する必要があるでしょう。すなわち、異なる文化や価値観を持つ人材によって多様な視点や新しい発想も生まれ、イノベーションの促進につながるという視点です。企業のダイバーシティ推進のイメージアップにもプラス効果が期待できます。

 日本政府は技能実習制度に代わって2026年4月に始まる在留資格「育成就労」と既存の「特定技能」について2028年度までの2年間に受け入れる人数を最大123万人とする方針です。技能実習と特定技能の人数は計78万人で、受け入れ枠を増やしながら一定の歯止めをかける方向で議論が進んでいます。

 日本は人口減少という未曾有の危機に直面しています。毎年100万人の人口が減少し続けているほどです。少子化の進む日本では外国人は社会を支える重要な担い手に他なりません。総務省によれば、生産年齢人口(15歳~64歳)は1995年の8726万人をピークに減少し、2024年は7372万人となっています。 リクルートの調査が明らかにしていますが、2025年の採用予定数を満たせなかった企業が6割にも達しているではありませんか。また、東京商工リサーチによれば、2024年の人手不足関連倒産は289件で過去最高を記録しました。

 一方、経産省の「2040年の就業構造推計」(2026年1月26日公表)によれば、2040年までに、AIによる生産性向上で、事務職は437万人が余剰(AI失業)となり、最大55%が失業する見込み。見方によっては、外国人労働者の受け入れ拡大は不要ということにもなります。

 とはいえ、実態はもっと複雑です。なぜなら、産業構造の転換、即ち、AIやロボットの利活用やリスキリングによって200万人分の省人化が進み、人口減少も相まって労働需要も縮小することは避けられません。しかし、AIやロボット技術に精通した人材の不足は深刻です。2040年には782万人が必要となる見通しですが、433万人しか確保できないと言われているのですから。

 結果的に、製造業では125万人の不足、卸売業・小売業でも77万人の不足という深刻な人手不足が起きることになります。要は、情報通信業では102万人の余剰が発生するのですが、現場人材(生産工程、建設・採掘、サービス業)では260万人が不足するのです。当然ですが、こうした日本の近未来の人口問題や雇用情勢を冷静に分析せねばなりません。

 本年1月、日本政府は新たな外国人政策の基本方針を発表しました。「秩序ある共生」を目指すとしていますが、規制の強化も織り込んでいます。不法就労者のほか、税や社会保険料の未納者の調査を強化し、強制送還の対象となる犯罪の範囲を拡大するとのこと。 

 大事なことは、日本人だけで経済は回っていかないという現実を直視すること。モノづくりの製造業もAIなど知的分野でも、多文化の相互理解と切磋琢磨が進歩に繋がり、ビジネスチャンスも広がるはずです。犯罪と言うことでは日本人も外国人も同じで、取り締まることは当然のこと。その分、しっかりと対策を講じておくことは論を待ちません。日本人も海外に行けば外国人。同じ時代を生きる「地球人」としての運命共同体的な価値観を追求すべきではないでしょうか。