世界各地で地震や山火事が頻発しています。3月28日、ミャンマー中部で発生した大地震ではマンダレーを中心に現時点では約3000人近い死亡が確認されていますが、今後大幅に拡大することが懸念されているではありませんか。また、その影響は隣国のタイにも及んでいます。バンコクでは建設中の高層ビルが倒壊し、多くの死傷者が出ている模様です。
日本も地震列島と呼ばれるほどで、今後30年以内にマグニチュード9級の「南海トラフ地震」が発生する可能性は80%と予想されています。最近、日本政府の中央防災会議は新たな被害想定を発表しましたが、死者数は最大で29万8000人で、全壊焼失棟数は235万棟に上るとのこと。経済被害は物価高を反映し、292兆円に達するといいます。
アジア地域に限らず、アメリカ大陸からオセアニアに至る広範な地域は「リング・オブ・ファイアー」と呼ばれていますが、火山の噴火や地震、津波が連続して発生しています。単なる自然現象なのか、人類に対する警鐘なのか、大いに気になる今日この頃です。
そんな折、国連やイギリスのオックスフォード大学が毎年、調査研究している「世界幸福度報告書」の最新版が3月20日に公表されました。各国の国民が自分たちの置かれている状況を「幸福感」という視点で調査、分析したものです。
今回、第1位に輝いたのはフィンランドです。何と8年連続で世界1位の座を射止めました。その最大の理由は、誰でも自然環境に恵まれた生活が送れることと、手厚い医療福祉制度が整っていることのようです。フィンランドの国民は男女を問わず、毎週、最低1回はサウナに通い、健康管理に努めているとのこと。
その他、上位にランクインしているのはデンマーク、アイスランド、スウェーデンなど北欧諸国のオンパレードでした。経済的にはヨーロッパの主要国やアメリカには及びませんが、日常生活に安定と余裕が感じられます。自然と接しながら生活できることが幸福感を高めているに違いありません。
一方、イギリスとアメリカはそれぞれ23位と24位で、前年から順位を落としています。
2012年には11位でトップ10入りも間近と見られていたアメリカは今や過去最低のレベルに落ち込んでしまいました。アメリカではこの20年の間に一人で食事をする「孤食者」の数が50%も増えていることが幸福度の低下をもたらしているとの指摘もあります。
貧富の格差や治安の悪化が影響しているようです。
では、日本はと言えば、55位で、前年の51位から順位を下げており、下げ止まりが見えません。言うまでもなく、G7の中では最低です。欧米の先進国も日本も政治的な分断化が進み、社会的な不安定化が加速してことが影響している可能性が指摘されています。日本でも貧富の格差が深刻化しており、小学校に通う子供の10人に1人は給食費が払えないといわれているほどです。
とはいえ、アジアに限って見れば、日本は韓国や中国より幸福度では上を行っています。
ちなみに、台湾と中国では、27位の台湾が68位の大陸中国を大きく引き離していました。
香港にいたっては86位です。アメリカも中国も幸福度の低下スピードでは競い合っていると言えます。
また、世帯規模と幸福度は密接なつながりがあるようです。初めてトップ10入りを果たしたメキシコでも欧州諸国でも4~5人暮らしが最も幸福度が高いと判定されています。逆に世帯規模が5人以上になると、幸福度はダウンする傾向が顕著です。
戦火に見舞われているウクライナは111位で、ロシは66位でした。ちなみに最下位は昨年同様、アフガニスタンです。戦争は終わったとはいえ、その余波は尾を引いているに違いありません。また、戦闘とテロが収まらないイスラエルとパレスチナですが、意外にもイスラエルは8位にランクインしています。一方のパレスチナは108位と、大きな違いが確認できました。
自然災害をはじめテロや戦争など、世界各地で不穏な動きが絶えません。どこで暮すにしても、幸福な生活を確保するのは至難のワザ。家族や地域ぐるみの助け合いの日常的な活動が信頼関の醸成には欠かせません。自然の恵みに感謝し、人類運命共同体といった発想から災害を予防し、万が一の場合には助け合うという日頃からの準備を怠らないことが必要だと思います。